<Header>
<Author: 白居易>
<Title: 效陶潛體詩十六首 十五>
<Format: 格式不明>
<Year: 1964>
<BookName: 漢詩大系  白樂天>
<Translator: 田中克己>
<style: 漢文有假名>
<style2: 日本漢文訓讀附假名標注>
<TranslatedTitle: 陶潛の體に效ふ詩>
<BookPage: 187-190>
<UsedPage: 4>
<Feature: 0>
<End Header>
<Poem>
南巷有貴人，
高蓋駟馬車。
我問何所苦，
四十垂白鬚。
荅云君不知，
位重多憂虞。
北里有寒士，
甕牖繩爲樞。
出扶桑棗杖，
入臥蝸牛廬。
散賤無憂患，
心安體亦舒。
東鄰有富翁，
藏貨徧五都。
東京收粟帛，
西市鬻金珠。
朝營暮計算，
晝夜不安居。
西舍有貧者，
匹婦配匹夫。
布帬行賃舂，
裋褐坐傭書。
以此求口食，
一飽欣有餘。
貴賤與貧富，
高下雖有殊。
憂樂與利害，
彼此不相踰。
是以達人觀，
萬化同一途。
但未知生死，
勝負兩何如。
遲疑未知間，
且以酒爲娛。
<End Poem>
<Translation>
南巷（なんかう）に貴人（きじん）あり。高蓋（かうがい） 駟馬（しば）の車（くるま）。われ問（と）ふ「何（なん）の苦（くるし）む所（ところ）ぞ、四十（しじふ）にして白鬚（はくしゅ）を垂（た）る」と。答（こた）へていふ「君（きみ）知（し）らずや、位重（くらえおも）ければ憂虞（いうぐ）多（おほ）し」と。北里（ほくり）に寒士（かんし）あり、甕牖（をういう）にして繩（なは）を樞（とぼそ）となす。出（いづ）るには桑藜（さうれい）の杖（つえ）に扶（たす）けられ、入（い）りては蝸牛（くわぎう）の廬（ろ）に臥（ふ）す。散賤（さんせん）にして憂患（いうくわん）なく、心安（こころやす）ければ體（たい）もまた舒（の）ぶ。東鄰（とうりん）に富翁（ふをう）あり、貨（くわ）を藏（ざう）して五都（ごと）に偏（あまね）し。東京（とうけい）に粟帛（ぞくはく）を収（をさ）め、 西市（せいし）に金珠（きんしゅ）を鬻（ひさ）ぐ。朝（あした）に營（いとな）み暮（くれ）に計算（けいさん）し、畫夜（ちうや） 安居（あんきょ）せず。西舎（せいしゃ）に貧者（ひんしゃ）あり、匹婦（ひつぶ） 匹夫（ひつぶ）に配（はい）す。布裙（ふくん）もて行（ゆ）きて賃舂（ちんしょう）し、短褐（たんかつ）にて坐（ざ）して傭書（ようしょ）す。これをもって口食（こうしょく）を求（もと）め、一飽（いっばう） 欣（よろこ）び餘（あまり）あり。貴賤（きせん）と貧富（ひんぶ）と、高下（かうか） 殊（こと）なるありといへども、憂樂（いうらく）と利害（りがい）と、彼此（ひし）あひ踰（こ）えず。ここをもって達人（たつじん）の觀（くぁん）は、萬化（ばんくわ） 同一途（とういつと）。ただいまだ生死（せいし）を知（し）らず、勝負（しょうぶ）ふたつながらいかん。遲疑（ちぎ）いまだ知（し）らざるの間（あひだ）、しばらく酒（さけ）をもって娛（たのしみ）となさん。
<End Translation>